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2016年10月

2016年10月17日 (月)

介護の負担増が、サービス利用の抑制につながる事実―2015年度決算審議から

                 介護保険制度の改定による影響

 2015年8月から、一部の高齢者については、介護サービスの利用料が2倍になったことにより、サービスの利用抑制が顕著に現れていたことがわかりました。
要介護度別と介護保険料の段階別で利用された、サービスの利用限度額の利用割合を2014年と2015年比較しました。
利用料が1割の群は、サービス利用の伸びは2.2~2.6%。利用料が2割の群の伸びは-0.6~1.2%の伸び、その中でも利用の伸びが低かったのは、要介護度3の方で利用料が2倍となった群でした。

 高齢者福祉の充実や予防対策が進み、結果的にサービスの利用が減るということが、本来の姿ではないでしょうか。利用料や介護保険料を引き上げ、負担が重くサービス利用が抑制されたとすれば、利用抑制による重度化が進むことにならないか、または「介護の社会化」と唱っていた制度が、家族介護や老々介護、または介護地獄という事態に逆戻りするのではないでしょうか。

 負担増が高齢者だけでなく、若年者にとっても大きな問題です。さらに負担増を進めようとする次回の改定は何としてもストップしなければなりません。

ヘルプとデイサービスの基準を緩和した新総合事業は見直しを

 名古屋市は、軽度に認定された方の訪問介護(ヘルプ)と通所介護(デイサービス)について、人員基準や介護報酬を引き下げた「新しい総合事業」(新総合事業)を今年6月にスタートさせました。

これまで同様の訪問、通所サービス以外に、基準緩和型サービス

対象は要支援・介護認定、または基本チェックリストで新総合事業の対象者となった方

予防専門型サービス…これまでと同様の訪問介護・通所介護に相当するサービス

生活支援型訪問サービス、ミニデイ型・運動型通所サービス…これまで介護報酬の7~8割の報酬で、無資格(一定の研修)者

基準緩和した事業への「参入意向」は2~4割程度のみ

新総合事業をスタートする前年の2015年12月8日に、市内の各介護事業所に、この事業に参入する意向があるかについてアンケートを実施しました。

アンケート結果は下記の通りPhoto_6

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訪問介護事業所の 59.6%が「検討中」あるいは「参入意向なし」

通所介護事業所の 74%が「検討中」あるいは「参入意向なし」

この状況で、市は基準緩和したサービスの導入を決定したのでした。

 事業を開始したところでは、生活支援型訪問サービスでは、一定研修を受けた職員の確保がままならず、ヘルパー資格を有する職員がサービスを提供することになり、事業所の運営に支障をきたすのではないかという不安や、6か月という期間限定となったミニデイ型通所サービスでは、事業所が増えない、利用者が集まらないといった問題が起きています

もともと、社会保障費の自然増を抑える目標で削減を進める国の改正によって、サービスが必要な人が専門的サービスを利用できないという問題が起きているのではないでしょうか。

軽度の人だからこそ、重度化しないために、専門的職員による助言やケアプランへの提供などが求められます。「介護事業所団体」や「認知症の方や家族の会」などからも専門職の必要性を求める要請や提言が行われ、厚労省が行った調査結果でも、専門職による助言が必要という結果もあります。

名古屋市は、今年度は「モデル事業」として、新総合事業を始め、11月にはモデル事業の検証を行い、2017年4月に本格実施する予定です。緩和型はできる限り導入しないという選択肢もあります、事業所あるいは利用者の方等の、ご意見をお寄せください。

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